臨江寺|台東区谷中にある臨済宗大徳寺派寺院

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龍興山臨江寺|台東区谷中にある臨済宗大徳寺派寺院

臨江寺の概要

臨済宗大徳寺派寺院の臨江寺は、龍興山と号します。臨江寺は、圭山宗撲が寛永7年(1630)頃下谷池之端に臨江庵として創建、延宝9年(1681)当地へ移転したといいます。当寺の蒲生君平墓は国史跡に指定されています。

臨江寺
臨江寺の概要
山号 龍興山
院号 -
寺号 臨江寺
住所 台東区谷中1-4-13
宗派 臨済宗大徳寺派
葬儀・墓地 -
備考 -



臨江寺の縁起

臨江寺は、圭山宗撲が寛永7年(1630)頃下谷池之端に臨江庵として創建、延宝9年(1681)当地へ移転したといいます。

「下谷區史」による臨江寺の縁起

臨江寺(谷中坂町四一番地)
京都大徳寺末、龍興山と號す。寛永七年不忍池南岸に創立せられ、臨江菴と號したが、寛文七年現地に移り、今の名に改めた。開山は僧圭山。
寺内に蒲生君平、古筆了仲の墓があり、前者は大正十三年五月二十一日東京府知事より史蹟に假指定せられた。(「下谷區史」より)

御府内寺社備考による臨江寺の縁起

京都紫野大徳寺末、谷中不唱小名
龍興山臨江寺、境内古跡拝領地1011坪持添地420坪玉林寺拝領地之内借地600坪
当寺儀は寛永七庚午年頃、下谷池之端南岸臨江庵ト号シ古跡地1011坪所持仕居候所、延宝9辛酉年御宮之風上故為火除池之端寺地被召上、為替地於谷中只今之寺地1011坪古跡除地拝領被仰付、外二持添地上野中堂領420坪有之、合而1431坪二御座候。尤持添中堂領之分例年年貢相納申候事、右中堂領之儀茂、延宝九年替地被仰付候節より持添罷在候。其後寛保2壬成年9月より隣寺玉林寺拝領地之内600坪借地仕、是又持添都合2031坪二御座候。
開山圭山宗撲与申紫衣被仰付。元禄4辛未年11月12日遷化。京都之産二両俗姓松村氏。
客殿。本尊釈迦如来、丈1尺1寸5分木仏坐像。
浚明院様、孝恭院様、至心院様、御三方様御尊牌安置。
御由緒書
京紫野大徳寺地中昌林院は梅渓家菩提所二而特故中納言至誠心院殿、栄松院殿(誠心院殿様御両親様也)御廟所有之。御逝去之節ハ惇信院様、浚明院様、
御香奠被為遊御備至心院様茂御香奠御代参以被為遊御備。其後御年忌度々御同様之御取扱二御座候。昌林院之儀は臨江寺より住持兼帯仕居候故、同人弟子差遣置寺用為取扱置候義二御座候。依之梅渓家暦代
之御位牌同家より臨江寺江被相納、至誠心院殿、栄松院殿御位牌ハ至心院様被遊御納月々御代参香奠并御備物等有之。住持へモ御本丸毎度拝領物等被為仰付、当寺より茂折々御機嫌奉伺献上物等仕来候。延享5辰年2月御逝去之節、御遺金300両并御遺物等拝領仕候。於東叡山、至心院様御法事御年忌之節納経拝礼等被為、仰付候。於当寺茂、至心院様御逝去之砌は尊牌奉安置、右御遺金を以御法事執行仕其外平日御供養申上来候、其節之住持天洲長老乍恐
惇信院様
浚明院様蒙厚御恵紫衣被、仰付候節も御金百両従惇信院様拝領被為、仰付候。至心院様格別之御由緒之儀二御座候得は、御逝去後永代為御供養何卒卿二而も御朱印拝領被為、仰付被下置候様、右天洲再三奉
願候。京都梅渓家も毎度松嶋殿迄臨江寺昌林院江御朱印之儀御願中上候所、右之儀は無御沙汰、其後 明和5子年3月廿九日 至心院様為御嗣堂金弐百両

授明院様被為遊御寄附候而永代御起用奉中上候様被仰渡、難有仕合奉存候。依之右御金を以御年忌之節ハ勿論朝暮無懈怠御回向奉申上候儀二御座候。
寮舎
善昌院。
開山陽室、貞享3丙寅年3月11日遷化。本尊釈迦如来木座像。
幽梅軒。
右ハ空庵同様こ御座候。
桂月軒
右ハ明和9辰年類焼後、建物無御座候。
以上丙戊書上。
弁才天十五童子大石内蔵助良雄持仏当寺へ納む。江砂余礫(御府内寺社備考より)


臨江寺所蔵の文化財

  • 蒲生君平墓(国指定史跡)
  • 絹本墨画着色髑髏図(台東区登載文化財)

蒲生君平墓

蒲生君平は、明和5年(1768)下野国宇都宮の商家に生まれる。通称伊三郎、字を君威または君平、修静または修静庵と号した。姓は福田といったが、先祖は豊臣秀吉の武将蒲生氏郷の流れであることを知り、蒲生と名乗ったという。高山彦九郎、林子平と共に寛政三奇人の一人と称せられている。
幼児から学問に励み、長じて水戸藩士藤田幽谷を知り、節義と憂国の感化を受けた。寛政(1789-1800)の末期、諸国の天皇陵を歩き、享和元年(1801)「山陵志」を完成させた。これは、幕末の尊王論の先駆をなすものとして名高い。
後、江戸に出て著述に専念し、文化10年(1813)に没した「蒲生君威墓表」と題した墓石には四面にわたって藤田幽谷の撰文を刻む。昭和17年国史跡に指定された。
山門にある「勅旌忠節蒲生君平」の石柱は明治初年政府が建立したものである。(台東区教育委員会掲示より)


臨江寺の周辺図


参考資料

  • 御府内寺社備考
  • 「下谷區史」