和泉貴船神社|杉並区和泉の神社

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和泉貴船神社|地名和泉の発祥の池

和泉貴船神社の概要

和泉貴船神社は、杉並区和泉にある貴船神社で、和泉熊野神社の境外末社です。和泉貴船神社は、文永年間(一二六四〜七五)に創建されたと伝えられます。当社境内にある”御手洗の小池”はいかなる時でも涸れることがなかった湧水で、地名和泉の発祥といいます。

和泉貴船神社
和泉貴船神社の概要
社号 貴船神社
祭神 高龗神
相殿 -
境内社 -
祭日 例祭日5月5日
住所 杉並区和泉3-22-22
備考 和泉熊野神社の境外末社



和泉貴船神社の由緒

和泉貴船神社は、文永年間(一二六四〜七五)に創建されたと伝えられます。当社境内にある”御手洗の小池”はいかなる時でも涸れることがなかった湧水で、地名和泉の発祥といいます。

杉並区教育委員会掲示による和泉貴船神社の由緒

貴船神社
当社は和泉熊野神社の境外末社です。「新編武蔵風土記稿」は江戸時代の当社の姿を「除地、一段、村の北の方にあり、小祠を東向に立つ」と記しています
創建は社伝では文永年間(一二六四〜七五)ともいわれますが、詳細は明らかではありません。
祭神は高龗神です。この神は山・谷あるいは川にすむ雨水をつかさどる竜神で、雨乞・止雨に霊力があるといわれています。当社はこの水を支配し豊穣を約束する神として信仰されていた、山城国(現京都府)の貴船神社の祭神を勧請したものと伝えられています。
境内の池は”御手洗の小池”と呼ばれ、かつてはいかなる干天にも涸渇することがなく、村民の雨乞を行う場所であり、その豊富な湧水から”和泉”の地名は、この池に由来するともいわれています。また水質も大変良かったようで、”豊多摩神社誌”は「里人は往昔此井より清酒を湧出せしなど云伝ふ」との伝説を伝えています。この伝説は今日も語りつがれています。しかし、この湧水も神田川の改修工事や周辺の宅地化にともない、昭和四十年頃以後は水が涸れてしまいました。
当社は大正時代においても「木造茅葺、間口四尺、奥行三尺」という小祠にすぎませんでしたが、古くから和泉地域の人々の厚い信仰に支えられて今日に至っています。
なお、現在の神明造りの本殿は昭和三十六年の造営で、落成を記念した石碑も建てられています。
祭礼は五月五日です。(杉並区教育委員会掲示より)

「杉並の神社」による和泉貴船神社の由緒

貴船神社(和泉三丁目二二番二二号)
当社は「新編武蔵風土記稿」の同じく和泉村の条に貴船社とあって「除地、一段、村の北の方にあり、小祠を東向に立つ」とあるが、江戸時代から熊野神社の境外末社であった。明治十二年の「神社明細帳」には当社について
和泉村字根河原 無格社 貴船神社
一、祭神 高龗神
一、由緒 不詳
一、本殿 三尺四方
一、境内坪数 四十二坪 官有地
とある、高龗神(たかおかみ)とは山または水にいて雨雪を掌る神で、龍神といわれている。「豊後国風土記」直入郡球覃郷の条に「蛇龍(おかみ)おかみと謂う」とみえる。今日の貴船神社は左のごとくである。
一、祭神 高龗神
二、境内地 九〇坪
三、主要建物 本殿(木造神明造)一・五坪
四、由緒
当社の創建は詳かでないが、山城國貴船神社を農作雨の神として勧請したと伝えている。江戸時代より旱天の際、雨乞の行事を行ってきた。境内に御手洗の小池がある。湧き出る水質はよく、かつ涸渇したことがなかったという。村名の和泉の名称はここから起ったと伝えている。近年、本殿を造営した。
祭日は五月五日である。(「杉並の神社」より)


和泉貴船神社の周辺図