根元神社|西多摩郡奥多摩町氷川の神社

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根元神社|子神社・根元大神、医薬の神少彦名命

根元神社の概要

根元神社は、西多摩郡奥多摩町氷川にある神社です。根元神社の創建年代等は不詳ながら、子神社・根元大神と称して医薬の神少彦名命を祀り、江戸期には栃久保の当地周辺の鎮守として祀られていたといいます。

根元神社
根元神社の概要
社号 根元神社
祭神 少彦名命
相殿 -
境内社 静風神社、白山神社
住所 西多摩郡奥多摩町氷川1804
祭日 例大祭8月第四日曜日
備考 -



根元神社の由緒

根元神社の創建年代等は不詳ながら、子神社・根元大神と称して医薬の神少彦名命を祀り、江戸期には栃久保の当地周辺の鎮守として祀られていたといいます。

新編武蔵風土記稿による根元神社の由緒

(氷川村枝郷栃久保)
子神社
除地三畝、村の西堺にあり、この所の鎮守なり、小社にて北向、前に鳥居あり、鎮座の年歴をしらず。
末社。風神祠、山神祠、疱瘡神祠。(新編武蔵風土記稿より)

「奥多摩町史」による根元神社の由緒

根元神社
根元神社について『武蔵風土記』は「子神社」として次のように伝えています。
除地三畝歩、村の西堺にあり、この所の鎮守なり。小社にて北向、前に鳥居あり、鎮座の年歴をしらず。末社 風神祠 山神祠 疱瘡神祠
『神社明細帳』や『氷川村地誌』には祭神を少彦名命とし、旧根元大明神と称したとありますが沿革の詳細はわかりません。この社は少彦名命一柱だけを祭っていますが、本町地内に例がありません。
少彦名命は医薬の神として知られ、大国主命や高皇産霊神と同祀されることが多いのです。子の権現は腰下の病を癒す霊顕があるといわれますのでこの社の祭神を明確化するにあたり医薬の神として少彦名命が勧請されたものと思われます。
少彦名命は大国主命の協力神で国土開発の神でもあります。この大、少両神が国土開拓当時の物語でしょう。『播磨国風土記』はこんな逸話を載せています。
大国「土を背負って遠く行くのと尿をしないで遠く行くのとどっちが大へんだろう」
少彦「どうだ、二人でどっちが勝づかがまんくらべをしてみるか」
大国「おれは尿をしないで行く」
少彦「おれは土を背負って行く」
こうして幾日かのがまん比べが続きました。
大国「おれはもうがまんできなくなった」
少彦「こっちもとてもじゃあなかった」
と、早速大神は脱糞するし、少神はそこへ土を投げ出して大笑いをされたというのです。二柱の神さまの大らかな国土開拓ぶりが目にうかぶ物語です。
本町地内で巨木に覆われた森としては奥氷川神社、元巣森、越沢の日吉社、丹三郎の丹生神社小丹波の熊野神社等を挙げることができますが、根元神社の森も歴史の古さを思わせるものがあります。(「奥多摩町史」より)

「東京都神社名鑑」による根元神社の由緒

創建年代不詳。根元大神と称した。正徳三年(一七一三)七月社殿再建。明治三年(一九一三)根元大神と改め、同三十六年七月十七日根元神社と改称。(「東京都神社名鑑」より)


根元神社の周辺図


参考資料

  • 新編武蔵風土記稿
  • 奥多摩町史
  • 東京都神社名鑑