天福寺|千葉市花見川区花島町にある真言宗豊山派寺院

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花島山天福寺|花島観音、千葉寺十善講八十八所

天福寺の概要

真言宗豊山派寺院の天福寺は、花島山と号し、花島観音として著名です。天福寺の創建年代等は不詳ながら、和銅2年(709)に行基菩薩が当地で桜樹で十一面観音を造像し安置して草創したと伝えられます。花島観音堂の本尊十一面観音像は、仏師覧光が建長8年(1256)に制作したもので、高さ230cm近くの巨像で33年に一度開扉され、千葉県有形文化財に指定されています。千葉寺十善講八十八所41番・42番です。

天福寺
天福寺の概要
山号 花島山
院号 -
寺号 天福寺
住所 千葉市花見川区花島町60
宗派 真言宗豊山派
葬儀・墓地 -
備考 -



天福寺の縁起

天福寺の創建年代等は不詳ながら、和銅2年(709)に行基菩薩が当地で桜樹で十一面観音を造像し安置して草創したと伝えられます。花島観音堂の十一面観音像は、仏師覧光が建長8年(1256)に制作したもので、高さ230cm近くの巨像で33年に一度開扉され、「花島観音」として著名です。

「千葉縣千葉郡誌」による天福寺の縁起

天福寺(大聖寺末)
犢橋村花島にあり。正しい觀世音菩薩を本尊とす。堂宇は五間四面にして木造なり。境内の坪數五百二十六坪あり。
人皇第四十五代聖武天皇の御代、和銅二年四月(今を去る千八百余年前)僧行基東國へ巡錫の時櫻樹を以て身丈七尺五寸の觀音像を作りてこゝへ安置したるを始とす。
信仰者は講社を以て組織せり。檀家は昔日非常に多かりしも今はおとろへたり。寺の年中行事は毎年四月十八日に大護摩供養と稱して頗る賑ふ。
山門及び仁王像は大徳運慶の作なりといふ。殊に般板に龍遊軒の三字を書したるは、慶長六年辛丑地頭遠山四郎兵衛の寄進にして、徳川家康の自筆と稱せられ寶物として貴重なり。又菩提樹並に銀杏等由緒ある名木あり。(「千葉縣千葉郡誌」より)


天福寺所蔵の文化財

  • 木造十一面観音立像(千葉県指定有形文化財)

木造十一面観音立像

この像は、33年目ごとに開扉される秘仏です。像高230cm近い巨像で、一木を前後2材に割って内刳りした割矧造とし、表面は素木のままです。頭上面は失われていますが、面長な顔、がっしりした体躯に宋朝風のひねりのある衣文をあらわすなど鎌倉期の造像の特色をよく示しています。
胎内に墨書で、建長8年(1256)に仏師覧光が制作したことが記されていますが、この仏師の作品は印旛村来福寺や印西町多聞院にもあり、仏師の作風の変化や活動範囲を知ることができます。
いまなお「花島観音」の名で親しまれているこの像は、観音信仰の歴史を知る上でも貴重な存在です。(千葉市教育委員会掲示より)

天福寺の周辺図