東愛宕神社。入間市東町の神社

猫の足あとによる埼玉県寺社案内

東愛宕神社。扇町屋村名主粕谷善蔵が扇町屋愛宕神社を勧請

東愛宕神社の概要

東愛宕神社は、入間市東町にある東愛宕神社です。東愛宕神社は、徳川吉宗の享保元年(1716)新田開発奨励策により、当地を開拓した扇町屋村名主粕谷善蔵が、善蔵新田を開発し、愛宕権現新田大明神合殿(扇町屋愛宕神社)の分霊を勧請したといいます。明治40年扇町屋愛宕神社に合祀されたものの、社殿及び境内地はそのまま残され、戦後の人口増加に伴い、昭和41年に改めて祀るようになったといいます。県道向いの宝来稲荷神社は、安政3年(1857)に長谷部家が創祀したもので、氏神として祀られていたものの、当社の末社として村中で祀るようになったといいます。

東愛宕神社
東愛宕神社の概要
社号 東愛宕神社
祭神 天照皇大神、別雷神、火産霊神、新田義興公
相殿 -
境内社 恵比須、御嶽、八雲
祭日 3月1日宝来神社例祭、4月24日例祭、7月20日八雲神社例祭
住所 入間市東町4-39-1
備考 -



東愛宕神社の由緒

東愛宕神社は、徳川吉宗の享保元年(1716)新田開発奨励策により、当地を開拓した扇町屋村名主粕谷善蔵が、善蔵新田を開発し、愛宕権現新田大明神合殿(扇町屋愛宕神社)の分霊を勧請したといいます。明治40年扇町屋愛宕神社に合祀されたものの、社殿及び境内地はそのまま残され、戦後の人口増加に伴い、昭和41年に改めて祀るようになったといいます。県道向いの宝来稲荷神社は、安政3年(1857)に長谷部家が創祀したもので、氏神として祀られていたものの、当社の末社として村中で祀るようになったといいます。

新編武蔵風土記稿による東愛宕神社の由緒

(扇町屋村)
又巽の方七八町を隔てゝ段別百十町餘の地あり、扇町屋新田とて本村の持添なり、寶暦八年伊奈半左衛門検地して、貢數を定めしより今に御料所なり、(社についての記載なし)(新編武蔵風土記稿より)

「埼玉の神社」による東愛宕神社の由緒

東愛宕神社<入間市東町三‐七-三二(扇町屋字中台)>
<入間市東町四-三九-一(善蔵新田字愛宕台)>
当地は狭山丘陵に位置する。村の開発は、享保年間に扇町屋村の名主粕谷善蔵が中心となり、扇町屋・高倉二村の農民たちによって行われたという。地力が弱く、水の便が悪かったために開拓者たちはまず井戸掘りから始めたが、台地上のため深さは二〇メートル以上にもなり、その労力は大変なものであったという。現在、小沢民司家に当時掘られた井戸が一つ残っている。
当社の創始も村の開拓にかかわり、社記によれば、名主粕谷善蔵が享保年間、扇町屋村の鎮守愛宕権現新田大明神合殿(現愛宕神社)の分霊を奉斎したことによるという。
明治四〇年、当社は扇町屋の愛宕神社に合祀されたが、社殿及び境内地はそのまま残り、以後は旧氏子の有志により管理されて来た。昭和三〇年代後半、当地にも宅地化の波が押し寄せ、新住民の割合が急激に増えたため、東久保(現在の東町二、四丁目)の人々が中心となり、新旧住民の心の拠り所として昭和四一年に再び愛宕神社から当社を遷座し、現在に至っている。
県道を挟んで南側に安政三年建立の宝来稲荷神社がある。この社は本来、長谷部家の氏神であったが、非常に霊験あらたかなことから当社の末社として村中で祀るようになったという。(「埼玉の神社」より)


当地(旧扇町屋新田)を開拓した粕谷善蔵について

粕谷善蔵顕彰碑
扇町村粕谷善蔵は同村一族の本家で代々名主を努め、寛永十三年没の智光院一無常心居士は同家で最古の祖で家業は味噌醤油の醸造並び米問屋でした。智光院の三代後に家長になった善蔵は享保元年将軍吉宗の新田開発奨励策を請負い同村巽方七・八丁に廣がる雑木林約六十町歩を自己資金にて開拓し、粕谷家に代々使へた忠僕即ち私達の祖を入植させ自らの名を冠し善蔵新田村と名付けました。そして扇町屋村の鎮守愛宕神社より神霊を勧請し東愛宕神社を建立して善蔵新田村の鎮守としました。同じ頃代官伊奈半左衛門は入植者の為に井戸三本を堀り与へました。現存する井戸は小沢民司家の井戸一本です。粕谷善蔵氏は享保十三年正月九日死亡し見性院本誉立山居士として菩提寺長泉寺の裏手の同家の墓地に埋葬されて居ります。善蔵新田村初代村長粕谷善蔵、二代粕谷重蔵、三代長谷部多七、宝暦八年に代官伊奈半左衛門に依り検地が行なわれ善蔵新田村住人堤文左衛門、小澤仲右衛門、西澤新左衛門、野口権左衛門の四名が助手として検縄を引き、愛宕台、富士見台、東台、西原の四字とし畠を区割しました。第二回目の検地は安永八年に行なわれ、農地の等級が決定され、下畑、下下畑のみでした。第三回目の検地は天保八年に行なわれ、石高壱百弐拾壱石七斗九合、反別五拾九町八反弐畝拾三歩に決まりました。
(以後省略)(境内石碑より)

東愛宕神社の周辺図


参考資料

  • 新編武蔵風土記稿