常福寺。さいたま市岩槻区浮谷にある曹洞宗寺院

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常福寺。さいたま市指定文化財の二十一仏板石塔婆

常福寺の概要

曹洞宗寺院の常福寺は、浮谷山と号します。常福寺の創建年代等は不詳ながら、養老5年(721)の創立と伝えられ、その後(曹洞宗寺院として)仙旭(慶長15年1610年寂)が開山したといいます。また境内観音堂の聖観世音像は、観応元年(1350)に漁夫の網にかかったものを安置したと伝えられ、「浮谷の観音様」と呼ばれていたそうです。また、当寺所蔵の二十一仏板石塔婆は、市文化財に指定されています

常福寺
常福寺の概要
山号 浮谷山
院号 -
寺号 常福寺
住所 さいたま市岩槻区浮谷2561
宗派 曹洞宗
本尊 虚空蔵菩薩像
葬儀・墓地 -
備考 -



常福寺の縁起

常福寺の創建年代等は不詳ながら、養老5年(721)の創立と伝えられ、その後(曹洞宗寺院として)仙旭(慶長15年1610年寂)が開山したといいます。また境内観音堂の聖観世音像は、観応元年(1350)に漁夫の網にかかったものを安置したと伝えられ、「浮谷の観音様」と呼ばれていたそうです。

新編武蔵風土記稿による常福寺の縁起

(浮谷村)
常福寺
禅宗曹洞派、岩槻宿芳林寺末、浮谷山と號す、開山仙旭慶長十五年八月十五日寂す、本尊虚空蔵を安置す、
觀音堂
仁王門
鐘樓。萬治三年鑄造の鐘をかく、(新編武蔵風土記稿より)

「埼玉の神社」による常福寺の縁起

浮谷神社<岩槻市浮谷一五三(浮谷字松葉)>
常福寺は、寺伝に養老五年(七ニ一)の創立とされ、境内観音堂の本尊で、観応元年(一三五〇)に漁夫の網にかかったものを安置したという聖観音は、「浮谷の観音様」として知られており、昭和三十年ごろまでは毎月十八日に有志による観音講が行われていた。(「埼玉の神社」より)


常福寺所蔵の文化財

  • 二十一仏板石塔婆(市指定文化財)

二十一仏板石塔婆

この板石塔婆は、緑泥片岩製で、長さ一二九cm、幅五一cmの大きさがある。上部に天蓋と日月が配され、その下に虚空蔵菩薩を示す梵字(タラーク)を中心に、他の二〇仏を四種子ずつ五段に配列する。いずれも蓮座、月輪を伴い、また下部には香炉・燭台・花瓶からなる三具足と前机を配している。
二十一仏板石塔婆は、茨城県西部から埼玉県東南部にかけての限定された地域にみられ、庚申信仰とも結び付き、民間信仰の一例を示す貴重な資料である。また、本資料は現在市内で確認されている板石塔婆では、最新例となっている。(岩槻市教育委員会掲示より)

常福寺の周辺図


参考資料

  • 「新編武蔵風土記稿」