砂八雲神社。さいたま市見沼区東大宮の神社

猫の足あとによる埼玉県寺社案内

砂八雲神社。さいたま市無形民俗文化財の砂の万灯

砂八雲神社の概要

砂八雲神社は、さいたま市見沼区東大宮にある神社です。砂八雲神社の創建年代等は不詳ながら、江戸時代後期に編纂された「新編武蔵風土記稿」に牛頭天王社として記載され、「砂の万灯」の奉納は貞享3年(1686)より始められたと伝えられます。明治40年の神社整理に伴い、砂氷川社へ合祀されたものの形式上の合祀にとどまり社殿が残され、祭りが奉納されているといいます。「砂の万灯」はさいたま市無形民俗文化財に指定され、「砂の大ケヤキ」は八雲神社の御神木として崇められ、「県の木」に指定されています。

砂八雲神社
砂八雲神社の概要
社号 八雲神社
祭神 -
相殿 -
境内社 天神社、御嶽塚
住所 さいたま市見沼区東大宮1-13-9
祭日 天王様7月中旬
備考 -



砂八雲神社の由緒

砂八雲神社の創建年代等は不詳ながら、江戸時代後期に編纂された「新編武蔵風土記稿」に牛頭天王社として記載され、「砂の万灯」の奉納は貞享3年(1686)より始められたと伝えられます。明治40年の神社整理に伴い、砂氷川社へ合祀されたものの形式上の合祀にとどまり社殿が残され、祭りが奉納されているといいます。

新編武蔵風土記稿による砂八雲神社の由緒

(砂村)
牛頭天王社
正雲寺持。(新編武蔵風土記稿より)

「埼玉の神社」による砂八雲神社の由緒

氷川社<大宮市砂一八二〇(砂字登戸耕地)>項
明治四十年五月七日に各町の社は当社へ合祀されたが、各社殿は旧地に残されたまま、現在も祭りが行なわれている。特に砂町の八雲神社の天王様(七月十四日)は「砂の万灯祭り」の名で知られ、七組の万灯組が、各々意匠を凝らして飾り付ける万灯の上の人形が呼び物となって、毎年大勢の見物客でにぎわう。砂村の開発は「七軒百姓」と呼ばれる七軒の農民によって行われ、この七軒が草分けとなって村内が七組に分けられたという。また「万灯祭り」は、貞享二年(一六八五)に「七軒百姓」の中の「藤助の家」に旅で病んだ六部が泊まり、介抱された返礼にとうもろこしで万灯の作り方を教えたのが契機となり、翌三年(一六八六)から始められたという。(「埼玉の神社」より)


砂八雲神社所蔵の文化財

  • 砂の万灯
  • 砂の大ケヤキ

砂の万灯

七月の中旬になると市内各所で「天王様」のお祭りが行われます。ここ八雲神社でも悪疫退散・五穀豊穣を祈願して、華やかに万灯が奉納されます。
万灯は神が降臨する際の目標物が特殊に発達したある種の灯籠です。
「砂の万灯」は山台に立つ人形と灯火をともす四角形の箱を彩る錦の絢爛さに加え、挿し花の美しさが見る者の目を魅了します。
祭礼日には、朝から囃子連が景気を盛り上げ、組ごとにそれぞれの工夫が凝らされた万灯が午後四時ごろに勢揃いします。七組の万灯が勢揃いした様はなかなか壮観え、境内は多くの人で賑わいます。(大宮市教育委員会掲示より)

砂の大ケヤキ

ケヤキはニレ科に属する落葉樹で、武蔵野の防風林を代表する樹木です。昭和四一年九月には「県の木」に指定されました。
この砂の大ケヤキは、古くから八雲神社の御神木として崇められており、毎年六月三〇日には注連縄が張り替えられます。観音堂西側にそびえているので、むかしから「観音様の大ケヤキ」として広い範囲の人々から親しまれてきました。樹齢は六〇〇年と推定されますが、樹勢はいまだ衰えることなく、春には新しい葉とともに薄い黄緑色の小さな花を開き、とてもおだやかな樹形で遠くからも望むことができます。(大宮市教育委員会掲示より)

砂八雲神社の周辺図


参考資料

  • 新編武蔵風土記稿
  • 「埼玉の神社」(埼玉県神社庁)