寿徳庵。鎌倉市山ノ内にある臨済宗円覚寺派寺院

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寿徳庵。中興開基三浦介義・三浦道寸所縁の文化財

寿徳庵の概要

臨済宗円覚寺派寺院の寿徳庵は、南山と号し、円覚寺境内にある円覚寺の塔頭寺院です。円覚寺六十六世月潭中円の塔所として創建したといい、中興大檀那となった三浦介義・三浦道寸に所縁のある文化財を所蔵しています。

寿徳庵
寿徳庵の概要
山号 南山
院号 -
寺号 寿徳庵
本尊 聖観世音菩薩像
住所 鎌倉市山ノ内444
宗派 臨済宗円覚寺派
葬儀・墓地 -
備考 一般参観不可



寿徳庵の縁起

寿徳庵は、円覚寺六十六世月潭中円の塔所として創建したといいます。三浦介義・三浦道寸が中興大檀那となり、三浦家滅亡後も、小田原北条氏よりも寺領寄進を受けていたといいます。

新編相模国風土記稿による寿徳庵の縁起

寿徳庵
開祖月潭、中興大檀那、三浦介義同入道道寸。所蔵の系図によるに、三浦介高行の男、永正15年7月11日、北条早雲の為に、三浦郡新井城に在て、男荒次郎義意と共に討死す。
往昔境内に聴好庵・養龍軒と唱ふる二室あり。天文16年10月聴好庵・養龍軒の敷地各北条氏より寄附あり。
如意庵所蔵文書曰、敷地之事914文之分、任永正17庚辰歳落着之旨令寄附者也、仍如件、天文16年丁未10月12日、聴好庵、虎朱印あり。養龍軒に出す所は、敷地一貫五百文と在のみ。此余り前と同文なれば略す。
永禄9年6月大道寺資親浄智寺・護法寺両寺の内敷地1貫700文分、養龍軒に寄附あり。
曰、前々寄進之分、相任承附進候、但浄智寺之内、600文、護法寺之内1貫100文如此落着所、至于向後、不可有相違者也。仍如件、永禄9年丙寅6月晦日、養龍軒参資親華押。
其後廃せし年代詳ならず。
寺宝
三浦系図一巻。
三浦道寸太刀一振。薙刀の穂の如く、平打なり。込長く銘なし。製作尋常と最異なり、木柄長1尺許、黒漆にて横に筋あり。鍔は五枚重の革、径り2寸4分。形木瓜、鞘は長2尺2寸許。金漆たたき塗、縁頭小尻総て唐銅なり。
義堂真蹟一幅。
庭訓折本一本。三浦道寸書。正徳4年三浦道寸の後裔、三浦郡長柄村民の納る所なり。奥書あり。曰、三浦荒井道寸自筆なり。正徳4丁亥年9月日、三浦道寸口代為末代、円覚寺中長香庵納之者也。三浦郡長柄村、荒井高保之と記せり。長香庵は、当庵の旧称なりと云。(新編相模国風土記稿円覚寺項より)


寿徳庵所蔵の文化財

  • 木造月潭中円坐像
  • 三浦道寸一族の墓

寿徳庵の周辺図