天津神明神社|鴨川市天津の神社

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天津神明神社|房州伊勢の宮、御神木のなんじゃもんじゃ

天津神明神社の概要

天津神明神社は、鴨川市天津にある神社です。天津神明神社は、「天孫降臨」に当たり、八重事代主神が海路当地に来て、東方鎮護の神として鎮座、「痔(もうけ)明神」と称されていたと伝えられます。源頼朝が治承4年(1180)石橋山の戦に敗れて安房に逃れ、伊勢神宮に源家の再興を祈念、祈願成就により、寿永3年(1184)当地に東條御厨を新設、伊勢神宮を痔明神に相殿として祀ったといいます。爾来天津・小湊二村の鎮守として祀られ、明治維新後の社格制定に際しては郷社に列格、伊勢神宮式年遷宮にならい21年目ごとに鳥居を建替る式年鳥居木曳祭を行っているといいます。当社の御神木マルバチシャは「なんじゃもんじゃ」とも呼ばれる暖地性の落葉小高木で、生育の北限地にある古木で、千葉県天然記念物に指定されています。

天津神明神社
天津神明神社の概要
社号 神明神社
祭神 天照皇大神、豊受比賣神、八重事代主神、大山祇大神、木花咲耶姫命、他六柱
相殿 -
境内社 -
例祭日 例大祭:10月16日
住所 鴨川市天津2950
備考 -



天津神明神社の由緒

天津神明神社は、「天孫降臨」に当たり、八重事代主神が海路当地に来て、東方鎮護の神として鎮座、「痔(もうけ)明神」と称されていたと伝えられます。源頼朝が治承4年(1180)石橋山の戦に敗れて安房に逃れ、伊勢神宮に源家の再興を祈念、祈願成就により、寿永3年(1184)当地に東條御厨を新設、伊勢神宮を痔明神に相殿として祀ったといいます。爾来天津・小湊二村の鎮守として祀られ、明治維新後の社格制定に際しては郷社に列格、伊勢神宮式年遷宮にならい21年目ごとに鳥居を建替る式年鳥居木曳祭を行っているといいます。

境内掲示による天津神明神社の由緒

当神社の祭神は天照皇大神、豊受大神、八重事代主神、大山祇大神など七柱の神が合祀されています。
むかし、「天孫降臨」に当たり、八重事代主神が海路当地に来て、東方鎮護の神として鎮座されたので、人々はこれを喜び「痔(もうけ)明神」と尊称しました。
治承四年(一一八〇)源頼朝が石橋山の戦に敗れ、安房に逃れて来たとき、伊勢神宮に源家の再興を祈念し、祈願が成就したなら、安房の国に御厨一処を寄進しますと祈誓しました。
そして宿願が成就し、寿永三年(一一八四)当地に御厨を新設し、伊勢より迎えた神霊と、以前より鎮座の痔明神とを相殿にまつりました。
それから「房州伊勢の宮」と尊崇され今日に至っています。
境内東側の山はすぐれた極相林として町の指定文化財になっています。
山頂には伊弉諾・伊弉冉の神を祀る諾冉神社があります。
境内の「まるばちしゃの木」は亜熱帯性落葉喬木で、千葉県指定天然記念物になっています。(境内掲示より)

「千葉県神社名鑑」による天津神明神社の由緒

往古、八重事代主神が、天孫に国譲りの後当地に来られ永く鎮まり給うたので、住民は痔大明神と尊敬したという。後、治承四年源頼朝が石橋山に敗れ安房の地に逃れ、源家再興を伊勢神宮に祈願し、宿願成就すれば当国中に御厨一処を寄進することを祈誓した。寿永三年安房国東条郷に御厨を新設して宿願を果たし、現在地に社殿を建て伊勢より奉迎した神霊と痔大神とを合祀した。安房の国東条の厨また天津厨と称した。明治一四年九月一九日郷社に列せられた。(「千葉県神社名鑑」より)

「稿本千葉県史」による天津神明神社の由緒

神明神社
同町(安房郡・舊長狭郡、天津町)大字天津字宮前岡に在り、境内三百六十一坪、天照太神を祀り事代主命、豊受姫命を合祀す。社傳に云ふ、往古は痔大明神と號し事代主命を専祀せし、康平五年源賴義、寛治元年源義家奥羽征伐の時本社に祈誓す、治承四年源賴朝本州に渡りし時も亦先例に仍り参拝す、壽永三年五月賴朝更に伊勢太神宮に請ひ神璽を此に移し痔宮に合祀す、爾後東條御厨と稱し神田若干及寶器等を寄進し社殿を造營すと。鳥居は伊勢神宮造營式に倣ひ廿一年毎に改造するを例とす、明治十四年九月郷社に列せらる、古来舊天津小湊二村の鎮守たり、末社七座あり。大正二年四月幣饌料供進指定。(「稿本千葉県史」より)


天津神明神社の由緒

  • 天津のまるばちしゃの木(千葉県指定天然記念物)

天津のまるばちしゃの木

マルバチシャ(ムラサキ科)は、日本から台湾、中国中・南部にかけて自生する暖地性の落葉小高木です。
わが国では、房総半島南部や紀伊半島、四国、九州、沖縄の沿岸地にまれに見られ、千葉県が世界的な分布の北限となっています。
県内でも数が少なく、当地のほか、実入地先(ここから一キロメートルほど東の海岸)や小湊海岸地区以外ではほとんど見ることができません。
この四本は、北限地の古木として価値が高く、このように大きな個体は、大変珍しいといえます。
初夏、枝先に白色の小さな花が密集して咲き、秋には直径2センチほどの実が黄色く熟します。種子は繊維に包まれており、朝顔のタネほどの大きさです。
この木については、見慣れない珍しい木の愛称でもある「なんじゃもんじゃ」の呼び名もあり、神明神社の神木として信仰されています。(千葉県教育委員会・鴨川市教育委員会掲示より)

天津神明神社の周辺図


参考資料

  • 「千葉県神社名鑑」