法泉寺|市原市武士にある天台宗寺院

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法泉寺|市原市武士にある天台宗寺院

法泉寺の概要

市原市武士にある天台宗寺院の法泉寺は、鹿島山と号します。法泉寺は、聖武天皇より各地に精舎を建立するよう勅語を受けた行基菩薩が、景勝地たる当地に生えていた十一枝に分かれた楠樹から十一面観音菩薩像を造立、鹿島山自然寺と称して創建したといいます。その後平将門が堂塔を造立し豊山法泉寺と号していたといいます。その後の戦乱により往時の面影を残すものは皆無となってしまったものの、十一面観音菩薩像は新上総国三十三観音霊場29番となっています。

法泉寺
法泉寺の概要
山号 鹿島山
院号 -
寺号 法泉寺
住所 市原市武士159
宗派 天台宗
葬儀・墓地 -
備考 -



法泉寺の縁起

法泉寺の創建年代等は不詳ながら、本尊の聖観音菩薩像は「建長8年(1256)」及び「武市郷 観音」の銘が残されていることから、鎌倉時代には既に観音像が祀られていたことが窺えます。また山号より、明治維新以前は鹿島明神社(現建市神社)の別当を勤めていたものと思われます。

「市原郡誌」による法泉寺の縁起

鹿島山法泉寺
武士區にあり、開基創立詳かならず、比叡山延暦寺の直末にして天台宗の古刹たり、境内に正觀世音菩薩を安置す、毎年八月九日は四萬六千日と稱し賽客群をなす。(市原郡教育會編纂「市原郡誌」より)


法泉寺所蔵の文化財

  • 木像聖観音菩薩及び二天立像(市原市指定文化財)

木像聖観音菩薩及び二天立像

聖観音菩薩は、像高81.6cmで広葉樹による一木造です。量感を抑えた肉どりや、浅く数の少ない衣文に、平安時代後期の伝統を受け継ぐ作風が見られます。
像の底部には、鎌倉時代の建長8(1256)年の紀年銘と「武市郷 観音」との墨書があり、確実な製作年代がわかる仏像彫刻として市内最古です。また、この時期に「武市郷」が存在したことを示す点も史料的価値が高く、貴重なものです。
二天立像はいわゆる四天王の広目天と多聞天で、それぞれ像高60.5cm、60.3cmを測ります。ともにヒノキ材の一木割矧造で、怒りや憤りをわずかな身振りや抑えた表情で示す姿には、聖観音菩薩とは異なる特色が見られ、製作年代は11世紀中頃と推定されます。法泉寺所蔵。(市原市教育委員会掲示より)

法泉寺の周辺図


参考資料

  • 「市原郡誌」