常楽寺。狭山市柏原にある天台宗寺院

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常楽寺。安土桃山時代以前の創建

常楽寺の概要

天台宗寺院の常楽寺は、沙法山と号します。常楽寺の創建年代等は不詳ながら、当寺所蔵の閻魔王・奪衣婆に天正3年(1575)の銘があることから、安土桃山時代以前の創建ではないかといいます。

常楽寺
常楽寺の概要
山号 沙法山
院号 -
寺号 常楽寺
住所 狭山市柏原2298
宗派 天台宗
葬儀・墓地 -
備考 -



常楽寺の縁起

常楽寺の創建年代等は不詳ながら、当寺所蔵の閻魔王・奪衣婆に天正3年(1575)の銘があることから、安土桃山時代以前の創建ではないかといいます。

新編武蔵風土記稿による常楽寺の縁起

(柏原村)常楽寺
沙法山と號す、天台羽黒行人派、江戸音羽町普門院の末なり、先年回禄の災に罹りて、開山開基の傳を失ふ、本尊不動智證大師の作にて、坐像長五寸なるを大日の腹内に安ず、大日も即ち坐像にて長一尺五寸、この餘十王及び冥宮の木像を安ず。(新編武蔵風土記稿より)

境内石碑による常楽寺の縁起

常楽寺は、天台宗の寺院で、本尊は木造不動明王坐像です。創建年月は不明ですが、本堂内にある木造十王座像の閻魔王・奪衣婆に天正三年(一五七五)の墨書があるので、それ以前であると思われます。
七観音は、一石に七体の観音さまを刻んだ石仏で、一番上に千手観音、右側に馬頭観音・聖観音・准胝観音、左側に十一面観音・如意輪観音・楊柳観音が彫られています。天保十五年(一八四四)二月に「最日講中」の手で建てられたこの石仏は、市内に二基ある七観音のうちの一基で、たいへん貴重なものです。
七観音は、私たち衆生がその業によって生死を繰り返す六つの世界、つまり六道に観音さまを配したもので(地獄=千手・餓鬼=聖・畜生=馬頭・修羅=十一面・人界=准胝・天界=如意輪)、そこに堕ちた者を救う仏とされています。宗派によって准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えますが、ここでは楊柳観音が刻まれています。
なお、「最日講中」は「斎日講中」のことで、「南無阿弥陀仏」名号を一心に唱えて極楽往生を願う念仏講の一種です。
また、斎日とは身を慎む精進日で、毎月八日・十四日・十五日・二十三日・二十九日・三十日と六日間ありました。(狭山市柏原地区センター掲示より)


常楽寺の周辺図


参考資料

  • 新編武蔵風土記稿