興禅院。川口市安行領家にある曹洞宗寺院

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興禅院。川口市安行領家にある曹洞宗寺院

興禅院の概要

曹洞宗寺院の興禅院は、瑞龍山観音寺と号します。興禅院は、法性寺三世で当寺初代の助天当益大和尚(天正19年寂)が開山となり天文15年(1546)に創建、四世南巌龍昌大和尚が諸堂宇を整備、現本尊釈迦如来像は六世住職心如椿牛大和尚の代に旗本藤川氏より寄進をうけたといいます。

興禅院
興禅院の概要
山号 瑞龍山
院号 興禅院
寺号 観音寺
本尊 釈迦如来像
住所 川口市安行領家401
宗派 曹洞宗
葬儀・墓地 -
備考 -



興禅院の縁起

興禅院は、法性寺三世助天当益大和尚(天正19年寂)が開山となり天文15年(1546)に創建、四世南巌龍昌大和尚が諸堂宇を整備、現本尊釈迦如来像は六世住職心如椿牛大和尚の代に旗本藤川氏より寄進をうけたといいます。

新編武蔵風土記稿による興禅院の縁起

(領家村)興禅院
曹洞宗、里村法性寺の末、瑞龍山と號す、開山助天は本山三世の僧なり、天文十五年當寺を草創し、同十九年五月五日寂せり、本尊釈迦を安ず、恵心の作なり。
圓通堂。正観音を安ず、弘法大師の作と云。
天神社、稲荷社、弁天社。
鐘楼。初め寛文十年鋳造の鐘を掛しが、後破壊して享保十に年再造の鐘を掛く。(新編武蔵風土記稿より)

川口市教育委員会掲示による興禅院の縁起

興禅院は、曹洞宗の寺院で瑞龍山観音寺興禅院と号し、鳩ヶ谷市大字里の法性寺の末寺です。室町時代の天文15年(1546)の開創で、開山は助天当益大和尚(法性寺三世)といわれています。本尊は釈迦如来坐像で、「新編武蔵風土記稿」には恵心(源信)の作と記載されており、江戸時代の貞享4年(1687)に第六世住職心如椿牛大和尚の代に、旗本藤川氏によって寄進されたと伝えられています。
当寺は何度か被災しており、現在の本堂は大正9年(1920)に再建されました。境内には、関東郡代伊奈氏の重臣の墓所があります。また、鐘楼にはかっての富田氏寄進の梵鐘(二代目)が掛けられており、この鐘は音色が麗しく名鐘ととして親しまれていましたが、太平洋戦争時の供出の命により姿を消しました。現在の鐘は三代目となります。
寺域は安行八景に選ばれており、春は桜、秋に黄、赤、白色の彼岸花、紅葉、他にアジサイ、シャクナゲなど、様々な季節ごとの花が見所となっています。また、本堂左の墓地内のスダジイの大木には、元禄年間のお地蔵様が根本に抱えられており、東側崖下の小さな泉には弁財天が祀られています。1月、5月、9月の9日に弁財天祭が行われます。(川口市教育委員会掲示より)

境内掲示による興禅院弁財天堂の縁起

この弁財天堂は、瑞龍山興禅印付属のお堂として管理されています。弁財天がこの地にいつ頃勧請されたかは詳かではありませんが、寺伝によれば当寺四世南巌龍昌大和尚は、諸堂宇と寺域の整備に尽力された名僧で、中興の祖と仰がれていることから寛永年間(1661-1672)頃に霊泉の傍らに小祠を建立したと思われます。当寺に所蔵されている寛政七年(1795)と同十年の記録に瓣天講金云々とあり、以前から瓣天講が成立していたことがわかります。
弁財天は、印度では古くから信仰され正しくは「大弁財天巧徳天」と申します。始めは農業神として尊崇され五穀豊穣を願い、寿命増益、福徳円満の巧徳を念じました。また、日本では音楽の神様としても広く信仰されてきました。また、この地には昔から白蛇の話や、大蛇にまつわる伝説が語り続けられております。弁財天堂も、往時の盛時が復活されつつあり弁財天の御誓願を深く信じて、益々幸運な生活が得られるよう一層のご信心をお勧めいたします。(境内掲示より)


興禅院所蔵の文化財

  • 木造釈迦如来坐像

木造釈迦如来坐像

この木造釈迦如来坐像は、江戸時代の貞享4年(1687)に相模国都筑郡神奈川領白根村(現、横浜市都筑区)知行の旗本藤川甚右衛門重昌の供養のために、子息によって寄進されたものと考えられています。
檜材の寄木造りで、像高は82.6㎝、膝張り68.4㎝を測ります。彫眼、肉身部は金泥彩、納衣部は錆地に黒漆で漆箔を施しています、螺髪は群青彩で、眉、髭、瞳は墨彩で描かれ、白目に白色顔料を入れ、鼻穴をかすかに抉っています。
右腕は掌を正面に向け施無畏印を、左腕は膝上におき掌を上に与願印を結んでいます。
本像は、像内の材のやつれから、かつて荒れた状態で放置された時期があったと推定され、数度の修理の跡が見られます。また、像底に納入口があることから像内に何か納められていた可能性が高いですが、既に失われてしまっています。定朝様の特徴をよく受けついだ温和な作風を見せながらも、形式化が進んでおり、細部に写実的な表現も認められるため、平安時代末の作と考えられます。(川口市教育委員会掲示より)


興禅院の周辺図